ESPN NFL 2K5 First impression
アメリカンフットボールはアメリカの情熱といわれます。SegaがドリームキャストでNFL 2Kを発表し,リアルフットボールゲームの門を開いてから早5年。2K4からESPNの冠を携えることで,フットボール中継のエッセンスを身に纏い,演出面でも進化を遂げてきた本シリーズ。熟成を重ねてきた最新のESPN NFL 2K5は,伝統を背景に手堅く売り上げNo1を維持し続けるビッグユニットEA SportsのMadden御大にSackを決めるべく,定価を一気に引き下げ,発売日を3週間早め,滾る情熱をほとばしらせてBritzを仕掛けてきたのであります。いつまでもセカンドチームに甘んじるつもりはないぜ,とね。
無駄に大仰な前文となっておりますが,以下の文章はESPN NFL 2K5の印象をMSのNFL Fever 2004ユーザーの視点で書いた簡単な感想となります。ちなみに旧作であるESPN NFL Football(2004年版)は未プレイのため,なんか変に感動していても旧作ですでに導入されていたフィーチャーの可能性は十分です。気にしないで。
-演出-
とにかく目に付くのがよくできたテレビ的な演出の数々。実在のスポーツコメンテーターChris Bermanや女性リポーターSuzy Kolberがしばしばプレイに対してコメントを挟みます。そして,ちょっといいプレイが出ると即座に挿入されるインスタントリプレイと該当選手のStats。キープレイヤーの生涯Statsなどもカットインされてきます。また,ランルートの傾向(左,真ん中,右の試行回数と獲得ヤード数)やパスルートの傾向(左,真ん中,右のショートとディープで6箇所へのパス成功/パス試行)も重要な局面で飛び込んでくるので,これを見てハッとしたり迷ったりもするのです。忘れちゃいけないのが浮かれ気分の地元ファンの連中。奴らが腹文字でLIONSなんて書いてはしゃいでるサマがクォーター終了時に飛び込んできたりして,プレイヤーを和ませてくれます。
ハーフタイムにはChrisがチームStatsとリプレイを見ながらあれこれとコメント。試合終了後にはSuzyによるヒーローインタビューも見られます。そして終了した試合のStatsを眺める際に,PLAY BY PLAYの項でその日の全プレイが簡単なテキストとなり,そのすべてがリプレイ可能です。(ただし,オンラインプレイ時にはリプレイは静止画となり,
ゲーム終了後のPLAY BY PLAYはテキストのみ)
個人的には選手情報のカットインがうれしいです。正直自チーム以外の選手情報って一部のスタープレイヤー以外はなかなか記憶にないものですが(自分だけ?),適当に試合をしているだけで他チームの選手のことが頭に入ってくるので選手を覚えるツールとしても便利かなと。
-プレイ感覚-
2,3試合行ってすぐに気がつくのが,ターンオーバーが出やすいということ。特に能力の高いCBがカバーするゾーンにうっかり投げてしまうと,かなり高い確率でインターセプトが発生している気がします(Dre'BlyにBryant!)。そして,実際のアメフト同様にインターセプトが致命的なビッグゲインを生むケースが多いです。Feverの場合,インターセプトしてもディフェンスチームの脚が極端に遅い(?)ため,2,30ydsも走ればほぼ確実にオフェンスの誰かに追いつかれてしまっていましたが,ESPNではTDパスを奪い取った俊足CBがそのままライン際を駆け抜けて,100ydsオーバーのタッチダウンを記録することも十分にありえます。
ファンブルは頻度こそ低いものの,パスプレイの際,レシーバーがキャッチする瞬間にハードタックルがかかればしっかりこぼします。逆にFeverで見られたように,RBがちょっとヒットされるとぽろぽろ落とす(Detroitだったから?)ということはあまりありません。個人的にはこちらの方が実際のアメフトに即していると思います。
試合自体はデフォルトの1Q5分のプレイで,実時間で40分から1時間程度かかります。演出が多い分,Feverよりもややプレイ時間は長いかもしれません。微妙なプレイになったときにはチャレンジなんかもできますしね(但し1ゲーム2回だけ/今年から3回でしたよね?)。展開次第でハイスコアにもロースコアにもなりますが,比較的Feverよりもヤードは出てるんじゃないかなといった印象があります。Feverでは300yds overのゲインってなかなかなかった記憶がありますが,ESPNではけっこう普通にありますね。
-オフェンス-
上のように書いてくるとパスが通りにくいんじゃないかと思われるかもしれませんが,単純にゾーンを引いていればパスが通らないわけでもなく,ターゲットがうまくシームに走りこめばディープのパスも通りますし,結局のところ如何にターゲットをちゃんと見て投げられるかってところなんですよね。Feverではトリガーパスを愛用していた自分にとっては,ESPNでは左右に開いたターゲットが見難い点が気になりました。
セット後でも,パスターゲットは右スティックで即座にホットルートを変更できます。ルートは直感的に変更可能で,右スティックを走らせたい方向に入れて,ターゲットのボタンを押すだけです。ただし,ホットルート変更の際にはQBから声がかかるため,3秒程度消費します。
ランプレイははっきり言って面白いです。確かに簡単ではありませんが,Feverみたいにとにかくルートができないとほぼ終了って形ではなく,うまくRB操作をチョイスできれば必要十分のゲインは可能になりそうです(実際にはなっていないところがミソ/うまくやればいけそうな気がしちゃうのよ)。キモとなっているのは,スピードとパワーの操作で,スピードを出すためにはAボタンを連打しなければならないのですが,BボタンによるスピンやYボタンによるショルダーチャージを効果的に決めるにはAボタンを押しっぱなしてタメておかなければなりません。ここの選択が考えてしまう部分なんですよね。自分はまだ全然ですが,たまにうまくいってビッグゲインできると実に気持ちのいいことになります。キターって感じ。
また,QBスクランブルにはRトリガが割り当てられており,これを引いている間ないしスクリメージラインを超えた後はRB操作が可能です。Feverの時(白ボタン)に比べ,緊急時に手が伸びやすい操作なので,結構使うことになりそうです。マクナブなんか100ydsくらいほんとに出せそう。QBが上体をかがめたりしてサックを交わすQB Evadeの操作は右スティックで行いますが,これを常に意識しておくようにすればブリッツ1本くらいなら確かに交わせます。なかなか右スティックに咄嗟に手が行かないんですけどね。
時間がないシチュエーションでは,プレイ終了時にBボタンを押しっぱなしているとノーハドルオフェンスを始め,Xボタンを押しっぱなしているとスパイクのフォーメーションを組みます。またタイムアウトはbackボタンでいつでも取ることができます。スパイクが即座に使えるのはFeverユーザにしてみると便利ですね。
-ディフェンス-
ディフェンスに関してはさほどプレイ数も多くないので,慣れてくるとだいたい目的のプレイを選ぶことができるようになりそうです。
プレイ数が多くないと書きましたが,実際にセットしてからの自由度はかなり高いです。ゾーンを引いていても,左右のトリガーで即座にLB陣をシフトしたり,DB陣をアジャストしたりできます。具体的にはトリガを引くと俯瞰画面になり,左の場合はLB,右の場合はDBの選手がB,X,Yボタンなどで選べるようになります。ここで,自チームの選手を指定するボタンを押すと,ボタンアサインが相手チームに切り替わり,やはり各ボタンを押すことでマンマークを切り替えることができます(そのプレイヤーがゾーンをカバーしていた場合は持ち場を離れてマークにつく)。この際に,黒ボタンや白ボタンでブリッツを入れてみたり(黒はディレイブリッツ),RトリガでQBをスパイすることもできます。実際には,QBがセットするまでの時間が3秒程度しかないため(要はアジャストの最中にオフェンス側がスナップしちゃうこともできる),かなり急いでアサインしないといけないので,サインミスで致命的なホールを空けてしまうこともあり,この辺ちょっとリアルだななんて思ってみたりして。
また,Feverでしばしばいらつかされていた何も考えずにディープにパス投げていた方が勝てるんじゃないの?的な部分はプリベントフォーメーションが充実しているため
そうそう通らなくなっています。ま,これがなかった方がおかしいんですけどね。どちらかというとヘイルメアリーで投げるよりは,余裕を持って受けたショートパスからうまくLBとCBを交わせた!みたいな状況の方がゲインできますね。
-スペシャルチーム-
パントやキックはFeverのように左右に動く方向指示を目押しみたいなシステムではなく,ゆるやかに動いたり動かなかったりする方向指示と風を考慮に入れ,パワー部分を目押しするというシステムです。そのため,Feverのように無風なのに30ydsのFGを豪快に外す,みたいなシーンはほとんど見られません。とはいえ,50yds overのFGはそれなりに難しくなるので,結構リアルなFG決定率になってくれそうです。
-VIPシステム-
ずいぶん昔,雀豪ってソフトがあったのを覚えている方はいられるでしょうか。Profileを作ってCPUと何試合か打つとその人の打ち筋をある程度覚えてくれ,これをCPUとして面子に入れるとある程度打ち筋を再現してくれる麻雀ゲームでした。VIPシステムは,このシステムの進化系です。試合をすることで自分のVIPファイルが自動的に更新されていきます。VIPファイルにはプレイ選択の傾向が如実に記録されており,オーディブルやフリッププレイを使う頻度,ランプレイの際のルート選択やムーブ選択の傾向,ディフェンスがインターセプトを狙ってくる頻度などプレイしている本人も驚くようなデータが残っています。VIPファイルはCPU戦とオンラインゲームでは別に残るようですが,オンラインでプレイした際に作られるVIPファイルは,試合が終わるたびに即座にアップロードされ,基本的には誰でもダウンロード可能になります。たまたまオンラインセッションを作っている人のVIPを落としてくることもできますし,もちろんフレンドのVIPを落としてくることもできます。こうして落としてきたVIPファイルを見て,戦術を考えることもできますし,CPU戦で相手チームのコーチ(各チームのヘッドコーチもVIPファイル化されているのです!)を落としてきたVIPファイルにしてやると,オンになっていない仮想フレンドと練習試合をすることもできるのです。自分みたいに定時に暇ができるタイプではない人間にとっては素敵過ぎ。
-オンラインプレイ-
個人的にはLive3.0対応のソフトは初めてですが,非常に洗練されてきている印象があります。
基本的にはすべてのフィーチャーをオンライン状態で行うことができ,CPUと練習をしている(実際のスポーツ同様に練習は大事!)ときでも,フレンドからの招待を受けることができます。また,ゲーム内でPSOのようにテキストメールを送りあうことができ(ただ,残念ながらキーボードは使えない?),この際ボイスメッセージも付加することができます。テキストメールはゲームを再起動しても保存されており(量は不明),PSOのそれよりも使い勝手はよさそうです。
オンラインで試合をする際には,Liveソフトにおける標準的なロビーでセッションを探したり作ったりするわけですが,やや使い勝手が違うのは,自分のセッションに参加者がいると,チャレンジングダイアログにゲーマータグが表示され,そちらに移動してacceptやらdeclineやらすることになります。そのため,断るときにも繋がった状態で断ることにはならないため,断りやすいかもしれません(断られやすい?)。もちろん,フレンドしか入れない部屋を作ることもできます。
また,実際に試合を行う際には,日本人同士であればFeverで感じられたようなボイスの遅延はありませんでした。
-オンラインリーグ-
オンライントーナメントやリーグはまだ未プレイですが,すでに立ち上がっているホームページを見る限りにおいては,XSNにおける不満点を一部解消した正統進化といえそうです。Feverにおけるオンラインリーグで個人的にもっとも不満だったのは,チームスポーツにもかかわらずゲーマータグごとの対戦に比重がおかれていたため,リーグ中でもチーム選択が自由に行えるようになってしまっていたことです。そのためせっかくゲーム終了時に各選手の細かいSTATSが表示されるにもかかわらず,Web上にはチームとしてのSTATSしかアップデートされないという問題を抱えていました。ESPNのオンラインリーグでは,ゲーマータグごとに使用するチームが固定されるため,詳細な選手成績が残り(もちろんLongest系の記録も),タイトルなども表示されるようになっています。
また,チームが固定されたことで,選手の怪我の程度が反映されるようになりました。例えばエースRBが3週間の怪我をしてしまうと,次の3試合はエース抜きで戦わなければならなくなってしまうので,試合展開に余裕がでてきたら,無理なプレイは避けて,エースを温存したりするなどの戦略も必要になってきますね。さらにオンライン上でトレードも行えるようになっています。これはなかなか使う人はいなさそうですが,リーグを立ち上げるときに能力値が80以上の選手を必ず1人トレードするなんて決めると,おもしろいかもしれませんね。
ただ,XSNのようにリーグの終了日時だけが決められていて,それまでに順不同で空いている相手からどんどん試合ができるというシステムではないようで(怪我のあるシステムなら当然か),きちんとスケジュールが組まれ,その順序で試合を行っていく形になるようです。試合間隔は1-7日となっているようですが,間に合わなかったときにどうなっているのかはまだわかりません。ちょっと忙しいシステムかなという気も。
-総評-
まだ,操作に慣れるといったレベルですらないので,こんなの書くのもアレかなとは思いますが,まとまらないのは承知ということで。
単純にNFL,アメフトが好きでしょうがない人にとっては$19.99という値段を考えてもマストでいいと思うんですけど,アイシールド21から入ってきたようなライトな方でもプレイしているうちにNFL自体を楽しめるようになるいいソフトだと思います。また,RTS系が好きなゲーマーさんも楽しめるんじゃないかな。
アメフトを知らない人には敷居が高いってことは承知の上で,北米本体を持っているなら買っちまいましょ。オンラインでルールやら定石やらやさしく(きびしく?)教えてくれる人はたくさんおりますので。そしてアメフト好きな方は本体を持っていなくても本体ごと買っちまいましょ。本体とあわせて35000円程度+ショバ代がかかりますが,1年かかっても遊び倒せないかもしれないくらいボリュームありますし,Xbox2が出るまでにはきっと減価償却できますって。
2004.08.02